2006.2.7 Tue

最後のブルートレイン、寝台特急「富士」の長い夜

17時間14分の長旅を終え大分駅に到着した「富士」


いんとろだくしょん。

 1912年(明治45年)6月、東海道・山陽本線の新橋〜下関間に我が国初の特別急行列車として登場。1929年(昭和4年)9月に「富士」と命名され、「櫻」とともに我が国初の愛称付き特急列車となった。車両は全て1・2等車のみの編成で、展望車や食堂車、シャワー室などが連結された「富士」は大日本帝国が世界に誇る豪華寝台特急でもあったという。1942年(昭和17年)11月の関門トンネル開通に伴い東京〜長崎港へ運転区間が延長されたが、1944年(昭和19年)4月、戦局の悪化と共に運行が中止された。

 戦後の1961年(昭和36年)10月、東京〜宇野間の昼行特急として「富士」の愛称が復活。1964年(昭和39年)10月、東海道新幹線開業と同時に「富士」は東京〜西鹿児島(日豊経由)の寝台特急となり再び黄金時代を迎える事になる。「走るホテル」と羨望された20系客車が充当され、東京〜西鹿児島間1,574.2kmを実に24時間以上かけて運行する、我が国最長距離を誇る寝台特急として再び脚光を浴びることとなった。

 しかし社会構造の変革と航空機の台頭により年々乗客は減り始め、1980年(昭和55年)10月には末端区間の西鹿児島〜宮崎間が廃止。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化以降は運転経費がかかり採算の取れない寝台特急は完全に厄介者扱いされるようになった。1997年(平成9年)11月には運転区間が更に大分まで短縮され、2005年(平成17年)3月のダイヤ改定で長崎行き「さくら」が廃止されたのを機に東京〜門司間は熊本行き寝台特急「はやぶさ」との併結運転となった。
 
 現在、東京駅を発車する九州特急はこの「はやぶさ・富士」の一本のみとなり、車両も個室A寝台とB寝台がたったの1両ずつ。残りの4両は全て開放型B寝台という栄光時代からは考えられないほど質素な編成となった。没落特急は今日も深夜の東海道で、あてもなくひっそりと命を繋ぎとめている。2009(平成21)年3月13日廃止予定。
   


TOKYO STATION 17:30

毎日こんなで通勤してんのよ…_| ̄|●
人大杉の東京ターミナルであるッ!

 「うわー!今日も東京駅は人大杉状態だねー!」
 「ウィークデイの17時30分、山手京浜東北線ホームは家路を急ぐ帰宅客で大盛況であーる。」
 「今日は火曜日っ!まだまだ一週間は長そうだねえ。」
 「まだ「帰りに一杯」って訳にもいかぬのであろうな。」
 「でもでもボクらは、明日目覚めれば西の果ての大分県だっ!」

17時49分、特別急行「はやぶさ・富士」熊本大分行き入線

田町方から入線します。
「1レ」入線であーる。

 「旅の始まり!旅の終わり!東京駅10番乗り場にやってきたよ。」
 「む!良いタイミングで汽車が入線してきたな。」
 「またブルートレインに乗るんだね、蒼い車体が格好良いね。」
 「大分行きの寝台特急、1列車こと『富士』であーる。列車番号1はその時代で最も格式高い列車に付けられる最高の名誉なのであーる。」
 

ブルートレイン・タイムの始まり〜。
老舗特急の勇姿であーる。

 「寝台特急 富士 大分っと!」
 「東京〜大分間1240Kmを17時間20分かけて走る、我が国で最も歴史が古い老舗特別急行列車であーる。」
 「17時間!相変わらずのんびりとした旅路だねえ。」
 「お嬢。25年ほど前までの『富士』は大分から先の西鹿児島まで、1574Kmをまる一日以上かけて走っていたのだぞ。」
 「うわー!21世紀の平成の時代には、考えられないほど気長な道中だったんだね。」
 「新幹線が青森から九州の端っこまで伸び、在来線も次々にスピードアップが図られる昨今。ブルートレインの旅は贅を尽くした貴重な時間であーる。」

10号車が今日のねぐらです。
最後のブルートレインであーる。

 「お嬢!そちらの6両は熊本行きであーる!我輩たちが乗るのは後ろの6両編成であーる。」
 「ホントだ。『特急はやぶさ 熊本』って書いてあるね、何故なのかな?」
 「実は『富士』は九州の玄関口である門司まで熊本行きの『はやぶさ』と併結され、そこで切り離されて日豊本線に入り大分を目指すのであーる。」
 「そういえば前に『さくら』に乗ったときも鳥栖で熊本からの車両を繋いでたね。あれ?じゃああの時の『さくら』はどうなっちゃったのかな?」
 「残念ながら昨年04年春のダイヤ改定を最後に、廃止であーる。」
 「何だってー(AA略)!!あの汽車無くなっちゃったの?!」
 「もはや東京発の九州特急は『はやぶさ・富士』の一本のみ、時代の流れとはいえ、寂しくなったものであるな・・・・・・。」
 

17時53分、特別急行「はやぶさ・富士」発車10分前

漏れは個室寝台は閉じ込められてるみたいで嫌いです。
旅の始めは個室寝台車であーる。

 「早速汽車に乗ってみよ!あ、この車両は個室寝台車だね。」
 「8号車のA寝台シングルデラックスであーる。『富士』で一番豪華な車両であーる。」
 「この扉は電子キーで開くんだね。ちなみにこの車両の寝台料金はいくらなのかな?」
 「13, 350円!焼きもろこし44本分であーる!」
 「るふ〜。ボクらにはちょっと敷居が高いね。orz」

 

狭いって!
こちらは天上がやや狭いのが特徴であーる。

 「9号車のB個室ソロであーる。」
 「この車両も個室寝台だね。でもB寝台車だけあって、さっきのよりは少し狭そうだね。」
 「2段式の寝台であるからな。体の大きな人が入ると、まるで独房の様に感じるそうであーる。」
 「でもボクには丁度良い広さだね、ボクらのお部屋はどれかな〜?」
  

ブルートレインに乗れただけでも、高嶺の花なんです。
予算が無いのであーる!

 「10号車の開放型B 寝台であーる!だうんわいぱ〜!」
 「また一番安い車両。しょ、しょんぼり・・・・・・。」
 「まあお嬢。今夜は平日で乗客も少なそうであるし、考えようによっては開放型寝台が一番ゆったりとしているのではないか?」
 「確かにメデスの言う通りだけど。このシリーズはいつも一番安い汽車に乗ってるような気がするよ?」
 「このシリーズは我輩とお嬢の汽車旅貧乏紀行がテーマであるからな。」
 「ええっ!今までそうだったのー!」
 「い、今更気付いたか・・・・・・。」

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