わたしと小鳥とすずと
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| 弁天島 |
弁天島は波のうえ、
金のひかりにつつまれて
もとの緑でありました。
「魚の匂いがするよ、なんだか港町って感じだね。」
「ちなみに、あそこに見えるのが彼女の詩にも登場した弁天島であーる。」
「島の真ん中にはお宮があるんだね。」
「今は漁港拡張で埋め立てられ陸続きになってしまったが、昔は遠くから見るとまるで島みたいに見えたのであろうな。」
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| 王子山から見た仙崎 |
王子山から町みれば、
わたしが町が好きになる。
「わーぁ!仙崎の町が島みたいに見えるよ。」
「ここは王子山といってな、仙崎の北に位置する青海島にある公園だ。」
「みすゞさんはここから町を見て詩を創ったんだね。」
「うむ。昔は仙崎から船で渡ったらしいが、今は橋を歩いて島に行けるのであーる。」
「じゃ、ボクらも島の奥へと行ってみようよ!」
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| くじら実物大 |
「わ!鯨の模型があるよ!」
「ここ青海島先端の通集落は古くから捕鯨で栄えた町だからな。もちろん今は商業捕鯨は禁止されてしまったが、昔は我が国有数の鯨漁港であったという。」
「ちなみに、みすゞさんのお父さんはこの町の出身だったらしいね。」
「よく知っとるな、お嬢。ちなみにお嬢は鯨の肉を食べたことはあるか?」
「うん!昔は良く食べたよ。あれは美味しかったねえ!」
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| 向岸寺にある鯨墓 |
「町外れにお寺が建ってるね、このお墓は何なのかな?」
「これは鯨墓といってな、捕らえた母鯨の胎内にいた胎児に戒名を付け、手厚く葬ったものだ。」
「海を見ずに死んだ胎児を哀れに思って、村の人が建てたんだね。」
「うむ。他にもここ青海島の漁師は捕らえた鯨に戒名を付け、ここ向岸寺で供養しておったのだ。」
「生きるために鯨を殺すのは仕方なかったんだろうけど、こうやって一頭一頭手厚く葬ってあげるなんて、みんな優しいね。」
「この生きとし生けるものに対する優しさを、みすゞの詩は確かに受け継いでおるのであろうな。」
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| 別名・十六羅漢 |
「わー!海がきれいだー!」
「ここ青海島の海岸美は別名「海上アルプス」とよばれておってな。日本海の荒波が織り成す海食洞窟や断崖は天然記念物にも指定されておる。」
「海沿いに遊歩道が伸びてるね!歩いてみようよ!」
「うむ。足元が悪いので、お嬢も気をつけるのだぞ。」
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| 帰りも仙崎駅 |
「楽しかったね、メデス。」
「うむ。金子みすゞの生涯は決して幸福とはいえず、その作品も死後散逸し「薄幸の少女詩人」として文学史の闇に消えようとしていた。しかし今こうして蘇り、100年の時を経た我輩たちにも感動を与えておるのであーる。」
「みすゞさんの詩を読んでると、ボクたちもなんだか優しくなれそうだね。」
「夏の港町の堤防で、空にいる少女に思いを馳せる。そんな「羽を持った少女」の生きとし生けるものへの優しさが、彼女の詩から伝わってくるな。」
「ボクもみすゞさんのように、みんなを好きになりたいな。」
「そうであるな。では、彼女に一旦別れを告げるとするか。」
「うん!じゃ、また来るね〜!」
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私と小鳥とすずと 金子みすゞ わたしが両手をひろげても、 お空はちっともとべないが、 とべる小鳥はわたしのように、 地面をはやくは走れない。 わたしがからだをゆすっても、 きれいな音はでないけど、 あの鳴るすずはわたしのように、 たくさんなうたは知らないよ。 すずと、小鳥と、それからわたし、 みんなちがって、みんないい。 |