試験面接体験記


 2002年6月21日。それは、俺にとって人生の分岐点に成りうる大事なイベント、入社希望会社の入社試験&面接がある日であった。学科の推薦を使ってるとはいえ、最近はそれでも落ちる人間も少なくなく(こうなると何が推薦だかよくわからないのだが)、決して油断することなどできない、失敗は許されない。

 試験&面接会場は、希望会社の東北支社、仙台の町中にあるとあるビルの一階にて。午前11時から開始ということで、15分程前に到着して受け付けにて入社試験を受けに来たことを告げると、ある一室に通される。そこには、もうすでに何人か来ており皆緊張を隠せない様子であった。そして、11時前には皆揃い(部屋の様子)、程なくその日のスケジュールについて説明が始められた。まずは面接の資料となる自己紹介シートの作成、その後小論文、そして昼食を挟み面接&性格判断テスト、最後に一般常識テスト、という段取りということだった。

 まずは自己紹介シートの作成だが、入社希望理由や研究内容についての簡単な記述等、大体考えてた通りに書いていく。が、「会社に入ってやりたいこと」という欄でちょっと止まってしまう。「どう書こうかな。まあ、後に回すかな。」と最後までとっておくと、書こうとした頃に「それでは時間ですので回収します」との声が!45分もあるから余裕だな、と思い時間チェックを怠ってあまりにもゆっくり書いてた結果であった。とりあえず回収しにくる前に適当に無難なこと書こうとするが、間に合わず係の人が目の前に来て「時間は決められてますので・・・」と言われたのに対し、すがりつくような目で無言で訴えると回収を最後にしてくれ、何とか適当に書き提出できる状態に。結局何の問題にはならなかったが、前途多難でこの先にある本番に大きな不安を覚えることに。それでも次の小論文では無難に書くことができ、昼食を迎えることに。

 緊張が続く中、束の間の休息。と言ってもこの後にある面接等のことを考えると気を抜いてる場合ではないのだが、それらに向けて栄養をとって英気を養うことができよう。昼食は会社側が弁当を用意してくれ、部屋の外に各自取りに行く。私も取りに行き座席に戻り早速開けてみるが、まあまあの内容。チキンカツフライがあることでソースも用意され、向かい側のテーブルより順次回していくことに(まずはここから)。これでは最初はチキンカツフライには手を付けれないな、ちょっと待つかと他のおかずに手を付け食していく。ちょっとしてからソースはまだ回ってこないのかと周りを見渡すと、まだここに。まあしょうがない、もうちょっと待ってみるか。さらに他のおかずに手を付けていくが、まだソースは回ってこない。遅い、遅いよ、とまた周りをみわたすと、ここに。さっきから全然動いてないではないか!なんだ、ソースがあるところに座ってる奴は。そっち側の人間さえソースかければそれでいいってか!冗談じゃねえよ、ソースがかからないチキンカツフライは、本当のチキンカツフライじゃねえよ!
っていうか、せめてその向かいに座ってる人間が取りにいくとかしろよ!
っていうか、皆ソースかけなくて平気なの・・・?
っていうか、こんなにソースを求めてるのは俺だけ・・・? こっち側の人間の表情を伺ってみたいが、昼食時にきょろきょろするのもあまりにも挙動不審・・・ 俺がソース取りに行くか?しかし、こんな離れているのにわざわざ取りに行くのもどうなのだろう。
「こいつは、そんなにソース使いたかったのか・・・?試験より昼食(チキンカツフライ)が大事とか思ってるんじゃないのか?」
とか思われるのも何となく嫌だ・・・ うまく内定をもらったとして入社後にその日一緒に受けて一緒に愛かった人間達に「試験より昼食が大事な男」とか異名を与えられてイジメに合わないとも限らない・・・
動きたいけど動けない、動いたら俺の負けだ・・・
 
 そう思ってると、しばらく外に出てた係の人が部屋に戻ってくる。
「気をきかせて、ソースをこっちに回してくれるのでは?」
という期待が膨らむが、その期待も空しく、ソースの向かいに座ってる人間と交通費についてのお話・・・ おい、そこに座ってるお前は、交通費なんかよりまずソースをこっち側に持ってこい!
 その後、しばらくそのまま向こうに見えるソースとの睨み合いが続いた後、結局時間切れ・・・ チキンカツフライ(偽物)に手を付けほどなく食べ終わり、部屋の外に空き箱を片付けに。部屋に戻ってくるとまだ周りは食べ終わってない人間が多く、不機嫌なままその様子をぼーっと見つめる。しかし、しばらくして、とんでもない光景を目にすることになる。向かいの辺りに座ってる人間が、ソースがかかったチキンカツフライを残したまま、弁当箱に蓋をしようとしてるのである。
「マジかよ!」
思わず叫びそうになる。

「俺があれ程熱い気持ちを傾けた「ソース」をかけたチキンカツフライを残すなどとは、わざと俺の逆鱗に触れようとしてるのか・・・ 動揺させてライバルを蹴落とそうとする戦略か・・・?」
そんな思いが去来するが、その男はひょうひょうとそのまま弁当箱を下げに行く・・・ そして、昼食タイムは終わることになった・・・

 その後は、性格テストをやりながら、順番に面接となっていく。適当にマークシートにマークし続け、しばらくするととうとう自分の出番。これまで経歴等を聞かれた後、自分の研究内容についての説明を求められるが、昨日、今日と練習してきた通りにソツなくこなす。その後もその研究内容について質問が飛んでくるが、とにかく実力(技術)のなさは元気と愛想でカバーと、張りのある声と笑顔を絶やさない様努める。そしてなんとか面接を終え、部屋に戻ると、緊張感から解放されたことから自然に笑みが漏れる。面接でよくわからないことも言ってしまったが、とりあえずは終了だ、後は最後に残った一般常識テストをやるだけである。そして、テスト問題の冊子を渡されたのだが・・・ 驚いた。(東北大の学生対象の)就職試験の事前説明会で渡された問題(今日の一言'02 6月15日参照)と、120問中120問同じなのである。
「これは、出来レースとも言うのではないのだろうか」
とも思うものの、まあこのテストはあるレベル以上取れればいい程度のものであり、評価はほとんど面接によってなされる、ということだったから、まあ、いいか。前もってその事前に渡された問題をこなしてた俺は、20分くらい時間が余る程早く終わり、「これで、今日は全て終わった」と安堵。時間が来たら早速ビルから出て、大学に向かい柔道をやりに。

 今回試験&面接をすることになり、久しぶりに結構緊張することになったが、うまいこと内定もらえることを願いたい。そして、後は卒業するだけ、という状態にしたい。そして、無事卒業し社会人としてデビューすることになったら・・・ バリバリ働きつつ、こいつこいつこいつイジめることは忘れないようにしたいと思う(彼等も無事受かってればの話だが)。

 

  そして最後に、
その3人はちゃんと受かり俺だけが落ちている
という楽しいオチが待っていないことだけは切に願いたい。