■リネコ×井原正巳のディフェンス論
・守備の本質:DFに求められる能力、役割、そして魅力
井原氏「たとえ攻撃力が低くても守備のうまさ、強さがあればチームとして機能しますから、DFに問われるのはまず守備力。」
Lineko氏「まさしく。」
井原氏「いい守備をするには状況判断や読み、駆け引きが大事なポイントです。」
Lineko氏「まさしく。」
井原氏「狙い通りにボールを奪う楽しさが魅力」
Lineko氏「快楽すら感じる。」
井原氏「守るときはパスコースを読んだり、誘い込んでボールを奪ったり、そういう駆け引きを心掛けていました。」
Lineko氏「私もです。」
井原氏「相手がいま、何を考えているのか。どういう攻撃を仕掛けてくるのか。その辺を予測してプレーしていました。」
Lineko氏「予測しすぎて頭フリーズしますね。」
井原氏「コンビを組む選手とお互いの長所を出し合って、短所を出さないようにする。」
Lineko氏「これが一番悩まされるプレーですね。」
井原氏「DFの仕事は地味な印象が強うけれど、ボールを奪えた瞬間は”してやったり”といった気になります。」
Lineko氏「まさしく。」
井原氏「たとえ89分間ミスしなくても、最後の1分に致命的なミスしてチームが負けたら、”あいつがわるい”と言われます。」
Lineko氏「はい、言われます。精神的にきます。」
井原氏「自分に必要だなと感じたら、出来るだけ吸収するようにしましたし、人からいいところを盗んでやろうという姿勢は大事・・・」
Lineko氏「日本なら柱谷(哲)氏、世界ならマルディーニ。ビデオを擦り切らす程見ましたね。あとギド。」
井原氏「CBは”声で仕事をする”という部分が多い。つまり、コーチングで前の選手を動かしながら、いかにいい守備が出来るか・・・」
Lineko氏「コーチングをしながらのプレーは疲労MAX。」
井原氏「DFは同じミスを何回も繰り返さないことが肝心です。つまり、DFは学習能力が問われるポジションでもあります。」
Lineko氏「その通り。同じミス=失点ですね。」
・守備の本質:1対1の守備
井原氏「”ボール奪取を積極的に狙っていく”だが刻一刻と状況が変わるので、それに応じて対処しなければならない。」
Lineko氏「頭フル回転でパニック状態ですね。」
井原氏「1対1の守備の優先順位、まずはインターセプト。」
Lineko氏「状況に応じてですがね。」
井原氏「成功させるためにはインターセプトの狙いどころを絞る。」
Lineko氏「これをチームで機能させるためには何年必要なことか。」
井原氏「インターセプトの次はコントロールした瞬間がボール奪取のチャンス。」
Lineko氏「私がもっとも得意としてる守備手段ですね。」
井原氏「一番避けたいこと、前を振り向かせない、安易に飛び込まない。」
Lineko氏「そう片足であっても、両足であっても一発では絶対行かないことですね。」
井原氏「自陣ゴールから遠ざけ角度のないほうに追い込んでいく。」
Lineko氏「まさしく。守備の鉄則ですね。」
井原氏「粘り強い対応で相手の攻撃を遅らせて味方が戻る時間を作る。」
Lineko氏「スピードにのった相手を遅らせるのは難しいですね。」
井原氏「さまざまな経験を記憶として積み重ね1対1の対応に役立てる。」
Lineko氏「試合中であれば負ける気はしません。おぉぉ」
・守備の本質:DFに求められるメンタリティー
井原氏「受け身になりやすいぶん”絶対にやられない”という強気の姿勢が必要。」
井原氏「人を押しのけてでも試合に出でる、レギュラーをキープするために必死に努力するとか、そういう強い意志の強さがなければ競争に勝てません。」
井原氏「”絶対にやられないんだ”という自信、強い気持ちが必要です。」
井原氏「どんな苦しい状況に置かれても、それをはね返していけるだけの精神的な強さが求められます。」
井原氏「相手は動揺しているDFに付け込んでいこうとしますから、心のスキや弱みをみせてはいけないのです。」
井原氏「DFにとって”1対1では絶対に負けない”という気持ちは基本中の基本。」
井原氏「突破されて悔しいと思わないといけないだろうし、自分達のボールを奪われたら何とか奪い返そうとする。ある意味、クセのようなもの・・・」
井原氏「気持ちを強くもてるかどうか、自信を得られるかどうか、それはすべて自分次第。」
井原氏「失点するたびにへこんでいたり、試合後までミスを引きずっているようではDFは務まりませんね。」
井原氏「苦しい時間帯、悪い流れのとき、どんな状況に追い込まれても気持ちを切らさず、耐えることが求められます。」
井原氏「熱さと冷静さの兼ね合いをよく考える。」
井原氏「さまざまな状況に合わせて、自分の感情をコントロールし、的確に対処しなければいけないので、冷静さが求められます。」
井原氏「”絶対にとってやるんだ”という気持ちの強さは欠かせないが、余計なファウル、カードをもらうような行為は賛成できない。」
井原氏「判定が不満だからといって審判に暴言を吐いたり、余計なファウルで警告を受けるようでは、チーム/自分にとってマイナス。」
井原氏「ファウルをしないでボールを奪うのが、やはりDFとして大前提です。」
・守備の本質:DFリーダーの心構え
井原氏「試合の流れを見ながら、”今、どう対応したらいいのか”を常に考え、”こうしよう、ああしよう”を味方に伝える。」
Lineko氏「流れ/考えを意識し過ぎて守備がおろそかに・・・。」
井原氏「ミスが続いて簡単にボールを取られている状況では”落ち着いてボールを回そう”と声をかける。」
Lineko氏「今、パス回しするために”エイト”にチャレンジ中。」
井原氏「守備バランスが崩れて劣勢に立たされているときは、とにかくセーフティファーストが大事なので、いったん相手の攻撃を切るために”クリアならクリアとプレーをハッキリさせよう”と徹底させていました。」
Lineko氏「これは絶対。メンバーを怒鳴ります。」
井原氏「自分達の流れならば、”積極的に行こう”ともり立てる。戦術的なコーチングはもちろん、チャレンジ精神も含め、チームメートを鼓舞したり、励ましたり、状況に合わせ、必要な声をかけるように心がけていました。」
井原氏「後方から全体が見渡せるわけですから、気付いたことをどんどん伝えていかないといけない・・・」
Lineko氏「まさしく。」
井原氏「自分が感じていること、考えていることを端的に伝えていく力。そしてそれをチーム全体に浸透させていく力。みんなが考えているいることがバラバラでは組織的な守備はできないので、全体をまとめていく統率力がDFリーダーには欠かせません。」
井原氏「1対1のマッチアップにしても局面に応じたカバーリングにしても安定感のある守備ができ、チームに貢献できる。」
井原氏「DFリーダーにとって守備能力の高さがすごく大事だし、それが大前提にあると思いますね。」
井原氏「人間性であったり、周りとのコミニケーション能力であったり、試合の流れに合わせて”的確な指示ができるか、どうか。説得力のある発言ができるか、どうか”などによって、さらにチームメートから信頼してもらえるはずです。」
井原氏「あれこれ口を出すわりにミスばかりしていたり、頻繁に突破を許していたりしたら、なかなか信頼を得られないし、説得力に欠けるのではないでしょうか。」
Lineko氏「ラブ・ベッキ。」
※「井原正巳のディフェンス論」より抜粋